視聴率好調が続くNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』。ドラマでは、桶狭間の戦いで、次郎法師(直虎)の父・井伊直盛を含め、井伊家の多くの者が亡くなった。それからも不幸が続き、とうとう井伊家に当主にふさわしいものがいなくなる。そこで次郎法師が立ち上がる──女城主となった井伊直虎を演じる柴咲コウに、役柄や撮影の思いを聞いた。
──撮影が始まって半年、折り返しが近づいてきました。
柴咲:あっという間でしたね。今まで体験したことがない、1年という撮影期間に取り組むというところで、心配もありました。でも現場は和気あいあいとしているので、それが画面にも伝わるといいなと思います。
──激動の時代で、出演者がどんどん変わっていきますね。
柴咲:長く撮影していると、張りつめていた緊張感がふと緩む、とまではいかなくても、慣れる部分がでてきます。でも新しい人が来ると新しい風を運んできてくれて、いい緊張感もいただけるんですよね。
──最愛の井伊直親(三浦春馬)との別れのシーンは、どういう心境だった?
柴咲:直親が無言の帰宅をしますが、直虎は立場上、遺体を前にしても泣くことができません。一人ぼっちで、なぜこんなことになってしまったのかという憤りを噛みしめて、奮起します。私の中でも、大きな悲しみを共感しながら演じていました。
──城主を演じて、人の上に立つことの難しさを感じる?