出家騒動で世間を賑わした清水富美加(22才)は『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)出演時、「睡眠時間3時間で1か月働いたところ、月給5万円だった」と窮状を明かした。清水の一件に、芸能人が次々に猛反論した。
坂上忍「ギャラなんて微々たるもの。ぼくらの時もそうだった」
美川憲一「水着が嫌とか、給料が安いから嫌とか、嫌っていうことばっかり先に言ってて、いいことはどうなの? 今まで支えられて、1つ1つ作品に出て…寝る時間がないっていうのも、ビッグになっていくには当然なの。しんどいのは当たり前」
これに対してインターネット上では「時代が違う」「不登校児に学校行けって言ってるのと同じ」といった清水への同情の声も多数上がった。
昔のスターは本当に存在しているかどうかもわからない雲のずっと上にいる存在だった。そんな彼らが作るドラマや映画、お笑い番組は浮き世離れしていて、だからこそ日常では味わえない、ドキドキやワクワクがあった。それが今は、芸能人もまた私たちと地続きで、まるで友達のように近い距離にいる存在として、同情したり怒ったりしながら語られている。
芸能人はいつからそんな存在になったのか? ファッション誌のカバーガールを務める人気ママタレントや、もう10年以上続くテレビドラマシリーズのキーパーソンを好演していた俳優などを見出したある芸能関係者はこう嘆く。
「いつの頃からかと言われたら、芸能界にコンプライアンスという言葉が持ち出された頃くらいから、なんだかおかしなことが起きていますよね。芸能界で作られる世界は、架空のもので、だからこそ面白かった。ダチョウ倶楽部が熱湯に入ったりするのも、一昔前なら親が子供に『あんな大人になっちゃいけない』と言いながらも、親子そろってゲラゲラ笑いながら見ていましたよね。夜9時からの放送ともなれば、見るのは大人ですから、ベッドシーンともなれば、裸も映したし、演じる側もそれを覚悟したものです。
しかし今は、子供が見るかもしれないから、過激すぎると避けられるし、例えば中高生のヤンキーを描く場合も、たばこも酒もやらない。それがコンプライアンスなんですよね」
『新潮45』3月号で、中井貴一(55才)は、コンプライアンス問題について、テレビ局側が規制を張りめぐらしていることを事実だと認めながらも、スターが出なくなったのはコンプライアンスのせいだけでなく、私たち視聴者側の反応にも起因するのではないかと指摘している。