プロ野球千葉ロッテマリーンズの外国人選手3人が、電車を乗り間違えて「東京(Tokyo)」に行くはずがJR外房線の「土気(Toke)」に着いてしまい、巨人とのオープン戦が行われる東京ドームへの到着が大きく遅れたことがニュースになった。乗り間違いによって、目的地とはまったく違う場所に着いてしまうハプニングは、日本人にもたびたび起きている。そういった間違いは、移動をスマホ検索に頼るようになってから増えているようだ。
「時刻表を手に路線図を見ながら乗り換えを確認すれば陥らない間違いが、スマホのGoogle検索や乗り換え検索に頼ると起きやすくなっています」
スマホが普及した現代ならではのミスをしやすいと話すのは、『封印された 鉄道秘史』などの鉄道にまつわる著作があるライターの小川裕夫さんだ。
「スマホで入力するとき、予測変換の第一候補が違う駅名なのに気づかず検索を続けてしまった結果の乗り間違いが起きています。たとえば、千葉県の房総半島にある観光牧場『マザー牧場』の最寄り駅はJR佐貫町(さぬきまち)駅なのですが、茨城県のJR佐貫(さぬき)駅に着いて呆然としている若いカップルが少なくないそうです。どちらの駅も、東京からの移動時間が大きく変わらないので気づきにくいようです」
佐貫町駅と佐貫駅を間違える人は実際にとても多いようで、マザー牧場の公式HPには「茨城県に類似駅名『佐貫駅』がありますので、検索時はご注意ください」と注意書きがある。
ほかにも、間違える人が少なくない乗り間違いには、京セラドーム大阪(大阪市西区)にある阪神「ドーム前駅」と近江鉄道「京セラ前駅」(滋賀県東近江市)や、ゆりかもめ「青海(あおみ)駅」(江東区)とJR「青梅(おうめ)駅」などが知られている。
近江鉄道では主要駅や無人駅の京セラ前駅で「京セラドーム大阪の最寄り駅は京セラ前ではありません」との注意書きが掲示されているが、乗り換え検索で「京セラ」と入力し予測変換に従って移動経路を決め、間違う人が今でも少なくない。スマホの予測変換のために、有名観光地でも東日本と西日本を間違えて移動してしまうこともあると前出の小川さんは言う。