ビジネス

新築マンション 今どきの「即日完売」は演出の可能性が高い

販売低迷で無理に「即日完売」をアピールする業者も

 新築分譲マンションの人気を知るうえで、デベロッパーが謳う“即日完売”の広告やモデルルームに貼られた成約の「赤いバラ」を見たことがある人は多いだろう。だが、「即日完売のカラクリに騙されてはいけない」と指摘するのは、住宅ジャーナリストの山下和之氏だ。

 * * *
 首都圏の新築マンションの販売は低迷が続いている。価格を抑え、販売戸数を抑えても契約率が上がってこない。今年に入って1月、2月と70%割れが続いている。供給も1000戸台から2000戸台と低調だ。

 東京都や神奈川県の平均価格は年収の10倍を超えており、平均的な会社員ではなかなか買えない。そのため、価格の引き下げが必要なのだが、土地取得費は高くなるばかりで、建築費や高止まりしている。経費を削減するにも、人件費を下がるわけにはいかず、決して簡単でない。

 残る手段は専有面積の圧縮になる。今年2月の首都圏新築マンションの平均は67.98平方メートル。昨年2月は69.14平方メートルだったから、1平方メートル以上狭くなっている。この傾向が今後も加速されることは間違いないので、注意が必要だろう。

 それでも、昨年までは人気物件の即日完売も決して珍しくなかった。東京建物の「Brillia Towers目黒(ブリリアタワーズ目黒)」や「Brillia Towers上野池之端(ブリリアタワー上野池之端)」がその代表格。販売戸数が100戸以上でも倍率2倍以上で売れるケースもあった。

 とくに、都心の人気エリアでは平均価格1億円前後でも、100戸以上が即日完売した。一昨年のブリリアの目黒は、平均1億円超えでも、661戸が平均倍率4.1倍を記録したほどである。都心では、三井不動産レジデンシャルの「パークコート赤坂檜町ザ タワー」が平均2億円台でも1.9倍を記録した。

 一方、郊外物件でも価格の割安感などから、大規模物件でも即日完売があった。その代表格が大和ハウス工業の「プレミスト高尾サクラシティ」。第1期の130戸から最終期7期まで即日完売を続けた。

 しかし、昨年後半あたりから、そうした大型の即日完売は陰を潜めている。せいぜい20戸、30戸までで、なかには数戸単位の即日完売もみられる。無理やり、帳尻合わせで即日完売を作り出して、ユーザーにアピールしようとしているのだ。

 そもそもデベロッパーは即日完売とうたえれば消費者に強くアピールできるので、何とか即日完売をつくろうとする。

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト