「これまで国内では姉妹間など顔の見える人からの卵子提供しかありませんでした。しかし、近しい関係だからこそ“卵子提供を頼みにくい”“姉や妹の子供が生まれると思うと複雑な気持ちになる”と悩む声も多く聞こえました。匿名はそうした問題を乗り越えられる利点もあるんです。
今回の発表で、匿名による無償のボランティアからの卵子提供が日本でも可能だと証明できました。血のつながりだけが大事だとは思いません。家族とは、共に人生を歩んでいく中で築かれていくものです」
だが、新聞各紙は今回の発表に《見切り発車》《ルール進まず現実先行》と疑問を投げかけ、ネット上には匿名の卵子提供を嫌悪する書き込みが溢れた。
《どこの誰かわからない人の卵子なんて気味悪い》
《親が誰かも分からないなんて、子供が可哀想》
《そこまでして産みたいか?自己満足にしか見えない》
朗報か、それとも親のエゴか。しかし、野田議員はすべての批判を一蹴する。
「大事なのは多様な産み方を認めること。どう生まれたかより、どう育ったかが大切でしょう。子供にとっての幸せは、育っていく過程で愛されること。子供への告知について、私は子供が小さい時から“2人ママがいるんだよ”って教えてきた。子供のことも考えずに産むのは親のエゴだっていう人もいるけど出産はすべて親のエゴでしょう。子供が自分の意志で生まれてくるわけじゃないんだから」
※女性セブン2017年4月13日号