国際情報

トランプ氏娘婿の不動産会社、中国不動産会社との交渉頓挫

娘婿は不動産会社を経営しているが…(トランプ氏のFacebbokより)

 ドナルド・トランプ米大統領の娘婿で、大統領上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏の親族が経営する不動産会社「クシュナー不動産」と中国有数の保険会社「安邦保険」グループの間でのニューヨークでの不動産共同開発の交渉が終了したことが分かった。米金融・経済通信社「ブルームバーグ」が報じた。

 この案件はクシュナー不動産がニューヨークの一等地に所有するマンハッタンの5番街の41階建て「5番街666ビル」の再開発計画で、両者は昨年後半から交渉を続けていたもの。同不動産のスポークスマンが「クシュナー不動産は今後、安邦保険と交渉を行わない。両者は不動産開発計画についての交渉を終えることで合意した」と発表した。事実上の交渉決裂とみられる。

 開発計画については、米議会からも大統領上級顧問のクシュナー氏の親族が中国の民間企業と経済的な関係を深めることについて、「道義的な面での懸念」が表明されており、トランプ政権への政治的影響を警戒したクシュナー側が中国企業との交渉を打ち切ったもようだ。

 クシュナー不動産はクシュナー氏の祖父が創業者で、祖父の死後はクシュナー氏の父親が会長の座を継いだが、クシュナー氏が大学院生のとき、父親が脱税で懲役2年の刑を受けたことで、クシュナー氏が同社の会長となっていた。

 ところが、義父のトランプ氏が大統領に当選したことで、クシュナー氏は会長を辞任し、同社の重役が会長に就任。これにともない、同社と安邦保険との交渉は新経営陣が引き継いでいた。とはいえ、同社にはクシュナー氏の影響力が根強く残っていることや、中国の場合、民間企業でも中国共産党の影響を強く受けていることから、中国側との交渉が成立すれば、開発計画に伴う経済的関係が政治的に利用されることが懸念されていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン