トランプとの親密さを内外にアピールした安倍外交は、賛否両論だ。片やこれで日米同盟は担保されたと手放しで称え、片やあれではアメリカの言いなり、つまりは“ポチ外交”だ、と批判する。
さて、安倍首相の理解者でありながら、日本の従米外交には厳しい亀井静香代議士は、どう見るか。
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今年1月の就任後、議会や経済界との関係で四苦八苦しているように見えるトランプ大統領だが、合衆国大統領の権限は強い。しかも彼はたまたま勝利したのではなく、内向きになったアメリカのエゴを代表する時代の申し子であり、今後も自国の利益を最優先する「アメリカファースト」の外交を繰り広げるはずだ。
とくに貿易は議会の承認を経ずとも大統領権限で政策を展開できる。保護主義政策を進めるトランプ大統領は日本に対し、非関税障壁の除去や米農産物の輸入を強く求めてくるだろう。
一方で彼の就任後、大きく変わったのは朝鮮半島情勢だ。韓国の朴槿恵前大統領の罷免後、次期大統領と目される文在寅氏は強烈な反日・親北派であり、今後は北朝鮮という危険な国に対し、米韓が共同軍事作戦を取れない怖れがある。
軍事戦略的にますます重要になる日本をアメリカが大事にすればいいが、逆に「あれをやれ」「これもやれ」と要求がエスカレートする可能性が高い。そんな状況で日本はどうアメリカに対峙すべきか。
今年2月に訪米した安倍晋三総理はトランプ大統領の別荘に二泊して夕食会やゴルフに興じた。異例の厚遇を受けた晋三総理は共同記者会見で満面の笑みを浮かべ、「トランプ氏とはとても気が合う」と蜜月ぶりをアピールした。
イスラム教徒の入国禁止など排他的な政策で警戒されるトランプ大統領と笑顔で手を握り合った晋三総理には、「アメリカのポチみたいだ」との批判もある。