このたび前代未聞の「死後の世界ガイドブック」が発売された。コラムニストの辛酸なめ子氏と、怪談蒐集家の寺井広樹氏が12人の臨死・体外離脱経験者の証言をまとめた『辛酸なめ子と寺井広樹のあの世の歩き方』(マキノ出版、以下『あの世の歩き方』)が、3月中旬に発刊された。臨死・体外離脱経験者が見た“あの世”は、どんなところなのか?
◆あの世は「3階建て」
『あの世の歩き方』に登場する体外離脱経験者で、あの世とこの世を行き来することができる技術を持つという坂本政道氏によれば、あの世は「低層界」「中層界」「高層界」の3層構造で成り立っており、どの層に行くかは生前の習慣や死に方によって分類されるというのだ。
「低層界には、急な事故や災害などで死亡し、自分の身の上に何が起こったのか理解できない人が多い。低層界は現世に一番近い場所に位置するため、生に未練がある人は、ここに留まってしまう」(坂本氏)
中層界に集うのは自分の信念や価値観に囚われている人。ずっと勉強し続けている学生や戦い続けている武士、花を生け続ける女性などがいたという。
「楽しそうに見える人もいますが、この層の人々は生前の趣味や行動に縛られている。低・中層界から脱するには、自分の頭で状況を理解する努力をする必要があります」(坂本氏)
低・中層界は“あの世での新生活を躊躇している状態”なのだろう。