権力の座から滑り落ちた者は徹底的に叩く──韓国でまたも同じ歴史が繰り返されようとしている。職権乱用、収賄など13の容疑で逮捕された朴槿恵・前大統領に科される罰金額が、約2165億ウォン(211億円)にのぼる可能性があるのだ。
13の容疑の中でもとりわけ問題となるのが、親友とされる崔順実・被告と共謀してサムスングループの李在鎔・副会長から賄賂を受け取っていた容疑だ。韓国の法体系に詳しい、弁護士法人オルビス東京事務所代表・金紀彦氏が解説する。
「朴氏には崔被告と共謀してサムスン側から433億ウォン(42億円)の賄賂を受け取った疑いがかけられています。韓国では、収賄罪について、『特定犯罪加重処罰等に関する法律』という特別法が適用されます。同法では、収賄額に応じた懲役刑の刑期を定め、さらに収賄額の2~5倍の罰金を科すと定めています。仮に前述の収賄額が認められれば、最大で受け取った額の5倍、つまり約2165億ウォンの罰金が科される可能性があるのです」
あまりに巨額な罰金額も、賄賂を受け取って有罪になったら“倍返し”という仕組みも、日本には馴染みのないものだが、韓国では珍しくない。韓国問題に詳しいジャーナリスト・前川惠司氏はこういう。