投手と打者、二刀流での活躍を続ける日本ハムの大谷翔平(22)。「歴史を変えることができる選手」だと村田兆治氏がいうように、打者としても投手としても期待を寄せてしまうほど、大谷の才能が抜きん出ていることは間違いない。
さて、技術では甲乙がつけ難いが、「稼ぎ」という観点では、打者と投手、どちらが優れているのか。
大谷は今シーズンオフのポスティングによるメジャー移籍が確実視されてきた。大型契約に年齢制限を設けたMLBの新労使協定が定められ、それに伴い2019年オフ移籍説も囁かれるものの、いずれにせよ近い将来の渡米が本人の強い希望だ。
そのメジャーでは、「野手の方が投手より稼げる」とするのは、NPB、MLBのデータに詳しいスポーツジャーナリストの広尾晃氏だ。
「メジャーの歴代高額契約上位には野手が並びます。1位はマーリンズの外野手・スタントンの13年総額3億2500万ドル(約360億円=1ドル111円換算、以下同)。2位は、昨シーズンに現役を引退したA・ロドリゲス(元ヤンキースなど)の10年総額2億7500万ドル(約305億円)と、長期の大型契約は野手に多い」
上位に打者が名を連ねる一方、投手がランクインするのは第8位から。8位がプライス(レッドソックス)の7年総額2億1700万ドル(約240億円)、9位にカーショー(ドジャース)の7年総額2億1500万ドル(約238億円)と続く。
「契約総額を年数で割った『平均年俸』で見ると、投手の方が高い。ただ、投手のほうが故障リスクが高いので、7年以上の長期契約を結ぶ例は少ない。なので契約総額で野手に及ばない。野手のほうが選手生命が長くなる傾向が強いともいえるでしょう」(同前)