今、世界でラブドールが注目を集めている。レディ・ガガが購入したことを明かしたり、スペインではなんとラブドール専門の売春宿まで登場している。
秋にはレプリカント(人造人間)をテーマにして大ヒットした近未来映画の名作『ブレードランナー』の続編の公開が予定されているうえ、将来的にはAI(人工知能)を備えたラブドールの登場も予想されている。セックスレスが進む現実社会のなかで、今後ますます近未来社会の象徴として世界中で拡散していく存在となっているのかもしれない。
そんななか写真界の巨人・篠山紀信氏が「ラブドール」をテーマに作品を制作し、4月19日には写真集『LOVE DOLL×SHINOYAMA KISHIN』を発売、4月29日からは渋谷のアツコバルーにて写真展を開催する。5月3日には、同じく渋谷のサラヴァ東京において、篠山氏と今回の作品の音楽を担当した平本正宏氏による「ラブドール」ライブも開催される予定だ。
かつては「ダッチワイフ」とも称され、男性用の性の玩具として扱われていたラブドールだが、東京藝術大学の大学院を修了したスタッフを擁するオリエント工業が、世界最高水準の技術、芸術性を駆使して、クオリティの高いアート作品「ジャパニーズ・ラブドール」を作り上げた。
篠山氏も「想像を超えた美の存在に遭遇したとき、僕は近未来の迷宮にいるような不安を感じる。この心の動揺こそが僕に写真を撮らせているようだ」と、そのかつてない美しさに魅せられたという。
篠山氏のWEBサイト・シノヤマネット(shinoyama.net)ではすでに動画作品の一部が先行公開されているが、どのように撮らされているのか、ますます楽しみだ。
撮影■篠山紀信