中国国内でも深刻化する“韓国イジメ”。韓国国内におけるTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備計画への報復で、その実態をジャーナリスト・北嶋隆氏がレポートする。
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天安門広場から北東15kmに位置する「望京」。中国最大級のコリアンタウンと聞いてやってきたが、一体どうしたことだろう。街にはハングルの看板が溢れ、韓国食品を扱う店からは大音量のK-POPが絶え間なく流れているのに、韓国人の姿がまるで見当たらないのだ。
しばし散策し、韓国人が集まる喫茶店で20代の韓国人男性に訊ねた。
「実は、韓国大使館から注意喚起があり、なるべく外出しないようにしているんです。トラブルを避けるため、外では極力韓国語を使わないようにしています。この先どうなるのか……」
男性は周囲の様子を窺いながら表情を曇らせた。THAAD問題勃発以降、中国社会では韓国人への風当たりがこれまでになく強くなっている。
駐在員の夫とともに長年この街で暮らす40代の韓国人女性が訴える。
「夫が同僚と一緒に中華料理店に入ろうとしたら、入店を断られてしまいました。『韓国人に食べさせるものは何もない。没有!(メイヨー!)』と冷淡な口調で言われ、やむなく店を出たそうですが、こんなこと初めてだし悔しいです」