〈安倍一強〉──安倍政権は、しばしば朝日新聞などにそう批判的に報じられる。だが、それは本当に国民にとって悪いことなのか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、こうした批判に苦言を呈する。
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メディアは〈安倍一強〉という言葉を批判的な意味をこめて用います。例えばこの3月には朝日新聞は〈安倍一強 名脇役のいない嘘っぽさ〉というコラムを掲載し、「1強」というタイトルでのシリーズ連載もしました。
しかし、〈一強〉の何がいけないのでしょうか。
朝日新聞は昨年10月21日の社説では〈安倍政権 見過ごせぬ慢心と緩み〉と題してこう書きました。
〈自民党総裁任期の延長が、わずか1カ月弱、3回の議論で決まった。目立った異論もないまま、首相は2018年の総裁選に3選をめざして立候補できるようになる。ポスト安倍の有力候補がいないことの表れでもあろうが、首相官邸の意向に背く言動を慎む空気が党内を覆っていることは隠しようがない〉
自民党内には石破茂氏や小泉進次郎氏のように堂々と執行部を批判する議員もいます。反対意見を言う人がいる。実際に反対意見は表明されている。それでも安倍首相の力は強い。それでよいのではないですか。民進党の蓮舫さんのように、反対意見に圧倒されて指導力を発揮できないより、ずっといい。
私は総裁任期は3期9年でも短いくらいで、そもそも期限を設ける必要もないと考えています。首相が十分な務めを果たせなくなったら、選挙で交代させればいい。それが民主主義国家です。