イケメン2人を従えたキャリアウーマンネタでブレイクし、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せているブルゾンちえみ(26)。4月13日スタートのドラマ『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)では主要キャストの一人に名を連ねるなど、芸歴2年目とは思えない大出世を遂げている。ブルゾンちえみといえば、濃いメークにオフィススタイルのファッション、そしてあの丸みを帯びた風貌だ。これまでブレイクした“デブかわいい”芸人とも、ブサイク芸人とも違う。言ってみれば“デブセクシー”の新領域を開拓している彼女の、いったいどんなオリジナリティーがお笑いファンにウケているのか。お笑い評論家のラリー遠田さんに訊いた。
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お笑いの世界は、歴史的に見てもこれまでずっと男社会が続いてきました。女性芸人の「デブキャラ」、「ブスキャラ」、「結婚できないキャラ」という呼ばれ方はまさに、「男から見たおもしろい女性像」を表していて、立場の弱い女性芸人たちもある程度はそれに乗っかるしかないという風潮がありました。夫が妻に虐げられる夫婦漫才がおもしろいのも、そもそも前提として男性の方が社会的に強いという意識があったからです。
でも今は時代が変わりました。その旗手といえるのが渡辺直美さん(29)です。彼女は「デブでもダンスしてオシャレして格好つけていいじゃん」とポジティブさを前面に押し出したことで、自分に自信がない女性たちを「こうでなければいけない」というプレッシャーから解放しました。若い人たちに人気のインスタグラムでフォロワー数が日本一であることからも、10代20代の女性から多くの支持を得ていることが分かります。「芸人としておもしろい」という枠を超えて、もはや尊敬や憧れの対象といえるほどです。
◆「ありのままに力強く生きていい」というメッセージ