毎年4月、中国・上海を舞台に、世界中のアダルト産業が出展する大規模な見本市が開かれる。中国企業はもちろん、日本、米国、韓国、欧州など合わせて数百の企業が出展する一大イベントだ。在中国の編集記者で、数年にわたり同展を取材した初田宗久氏が会場の様子を報告する。(構成/横田徹:報道写真家・ジャーナリスト)
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国際都市、上海で毎年4月に開催されるアダルトグッズ見本市は今年で14回目を迎える。東京ドーム2つ分の広大なスペースに世界中からアダルトグッズ関連企業が出展する世界最大規模の見本市だ。正式名称は「国際成人保健及生殖健康展覧会」。表向きポルノが禁じられている中国において、セックス見本市は「保健」や「健康」と“言い換え”られる。ともあれ、ここまで大量かつオープンに、性に関する展示が可能な場所はこうしたイベント以外にはない。
会場内では欧米の洗練された意匠のアダルトグッズが並ぶブースも目を引くが、それよりも勢いがあり、かつ混沌とした雰囲気を醸しているのが中国企業のブースだ。
中でも驚いたのは母、長女、末っ子と数体が揃った“セクシードール家族”のコーナー。身長が1m程度の末っ子セクシードールは、見ているだけで良心の呵責を感じずにいられない。