投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月17日~4月21日のドル・円相場の見通しを解説する。
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ドルは弱含みか。トランプ米大統領がメディアとのインタビューで「ドルは高すぎる」と発言していることから、ドルの上値は重いままとなりそうだ。トランプ大統領は利上げを歓迎していないとの見方も浮上しており、米連邦準備理事会(FRB)による年3回の利上げシナリオに狂いが生じるケースも想定される。金融当局者がハト派的な見解を表明した場合、ドル売りが強まる見通し。
また、引き続きシリア情勢や北朝鮮有事など地政学リスクが意識されやすい。北朝鮮が挑発的な行動を続けた場合、トランプ政権は武力攻撃を強行する可能性があるため、朝鮮半島有事に対する警戒感はさらに高まることが予想される。
一方、4月18日に東京で開かれる日米経済対話では、両国の経済政策のうち貿易に関する枠組みについて協議されるとの見方が多い。米国側は貿易不均衡の是正に乗り出す構えを見せており、為替に関する議論も含まれるとみられる。トランプ政権は対米貿易黒字国による通貨安誘導を強く批判しているが、米国側が日本銀行による金融緩和策をどのように評価するのか、注目される。
【日米経済対話】(18日予定)
トランプ政権との初の経済閣僚会合。財政・金融政策などの経済政策、インフラ投資・エネルギー関連での協力、両国間の貿易に関する枠組み、の主要3項目を柱に協議するとみられる。日本側は麻生財務相、岸田外相、世耕経済産業相、米国側はペンス副大統領とロス商務長官が出席を予定している。
【中国・1-3月期国内総生産】(17日発表予定)
1-3月期国内総生産は17日に発表される。市場予想は前年比+6.8%で成長率は昨年10-12月期と同水準になると予想されている。経済構造改革の進展によって中国の経済成長は大幅に鈍化するとみられているが、今年1-3月期の中国経済は6%台後半の成長率が予想されており、経済構造改革は進展していないことが示される見込み。ただし、市場予想と一致した場合は株高・ドル高の相場展開となる可能性がある。
・4月17日-21日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。