政権の驕りと政治腐敗を厳しく追及し、国会のチェック機能を健全に働かせる。それが野党第一党の役目だ。
「安倍政権を厳しくチェックし、地に足の着いた提案をする」
民進党の野田佳彦・幹事長は国会の代表質問でそう宣言したはずだった。ところが、この野党第一党では7月の東京都議選を前に都議らの離党者が相次ぎ、離党ドミノは国会議員にも波及、結党からわずか1年で党崩壊過程に入った。
「獲得議席ゼロ」
複数のメディアが報じた衝撃的な都議選予測が民進党の実情を物語っている。
政党が危機に陥ったとき、回復力が残っていれば執行部への批判が噴出するはずだ。しかし、長島昭久・代議士が離党会見を開いた日、民進党代議士会では蓮舫代表ら執行部への批判の声はほとんど上がらず、議員たちは力なく沈黙した。船の沈没が避けられないとなったら、船長を批判するより“逃げるが先”なのだ。
中部地方選出の民進党代議士が語る。
「いまのうちの党なら都議選の議席ゼロは十分にあり得る。世田谷区など8人区で1人も当選できそうにないのに、衆院の小選挙区で当選できると思いますか。東京の状況は全国でも同じ。離党した長島さんや都議たちは小池新党に行くんでしょうが、救命ボートに乗れる人はまだいいですよ」