国際情報

北朝鮮が日本海に弾道ミサイル発射 個別的自衛権行使の事案

この男の暴走は止められない KCNA/新華社/AFLO

 弾道ミサイル実験を続ける北朝鮮に、過去20年の「戦略的忍耐政策」の失敗を認めたアメリカ、政情不安がおさまりそうもない韓国はおろか、“血の同盟国”中国ですら、有効な手立てを講じることが出来ない。日本は金独裁王朝に、どう向き合うべきか、作家で元外務相主任分析官の佐藤優氏が解説する。

 * * *
 北朝鮮との付き合い方が一層難しくなっている。3月6日、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを4発発射した。この事件自体はそれほど珍しくない。問題は北朝鮮がこのミサイル発射に対して与えた意義だ。

〈北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、日本海に向けて4発発射した弾道ミサイルについて、有事の際に在日米軍基地への攻撃を担う朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の訓練だったと報じた。北朝鮮が在日米軍を名指しにした意図はどこにあるのか。

 韓国統一省の関係者は、北朝鮮が日本に言及したことについて「露骨で異例だ」と話す。その上で、「(朝鮮半島有事の際、後方支援する)在日米軍基地を制圧する意図があることを明らかにしたものだ」と指摘した。

 韓国のある国防専門家は、今回の部隊による弾道ミサイル発射に金正恩・朝鮮労働党委員長が立ち会ったことにも注目。「安倍晋三首相へのメッセージではないか」と話す。局面を転換するためにトランプ米大統領と親しい安倍首相を刺激したのではないかとの見立てだ。〉(3月8日「朝日新聞」朝刊)

 従来、北朝鮮の暴発は、日米安全保障条約第6条で対応すべき事態だった。6条の前段では、〈日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。〉と定められている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
「みどりの式典」に出席された天皇皇后両陛下(2025年4月25日、撮影/JMPA)
《「みどりの式典」ご出席》皇后雅子さま、緑と白のバイカラーコーデ 1年前にもお召しのサステナファッション
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
卵子凍結を考える人も増えているという(写真:イメージマート)
《凍結卵子の使用率1割弱の衝撃》それでも「高いお金を払って凍結したのに、もったいない」と後悔する人は“皆無”のワケとは《増加する卵子凍結の実態》
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《広末涼子逮捕のウラで…》元夫キャンドル氏が指摘した“プレッシャーで心が豹変” ファンクラブ会員の伸びは鈍化、“バトン”受け継いだ鳥羽氏は沈黙貫く
NEWSポストセブン
大谷翔平(左)異次元の活躍を支える妻・真美子さん(時事通信フォト)
《第一子出産直前にはゆったり服で》大谷翔平の妻・真美子さんの“最強妻”伝説 料理はプロ級で優しくて誠実な“愛されキャラ”
週刊ポスト
「すき家」のCMキャラクターを長年務める石原さとみ(右/時事通信フォト)
「すき家」ネズミ混入騒動前に石原さとみ出演CMに“異変” 広報担当が明かした“削除の理由”とは 新作CM「ナポリタン牛丼」で“復活”も
NEWSポストセブン
万博で活躍する藤原紀香(時事通信フォト)
《藤原紀香、着物姿で万博お出迎え》「シーンに合わせて着こなし変える」和装のこだわり、愛之助と迎えた晴れ舞台
NEWSポストセブン