荒ぶる日本海、能登半島に沈む茜色の夕日、降りすさぶ雪。幼馴染み3人は誰にも言えない過去を抱え、それぞれの暮らしを送っていたが、刑事、容疑者、被害者として25年後に再会する──。
主演の岡田准一をはじめ、小栗旬、柄本佑、長澤まさみ、安藤サクラといった若手俳優陣が勢ぞろいした映画『追憶』(東宝系、5月6日公開)の完成披露会見が4月4日、東京国際フォーラムで行なわれた。
「若い人たちの元気をこの作品にいただき、あと1本や2本は撮れるかなと思っています。それに感謝し、この映画に興味を持っていただけるような記事を書いていただきたい」
この日、取材陣を前に巨匠・降旗康男監督(82)はこう口にして、会場の笑いを誘った。
降旗監督の映画と聞いて思い浮かぶのは、3年前に逝去した名俳優・高倉健(享年83)、ベテランキャメラマン・木村大作(77)と共に作り上げた作品群だ。『駅 STATION』(1981)に始まり、『居酒屋兆治』(1983)、『夜叉』(1985)、『あ・うん』(1989)、日本アカデミー賞監督賞・脚本賞を受賞した『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)──これら数々の映像は、今なお色褪せることがない。
木村とタッグを組むのは、今回で16作目。降旗が映画を作る上で木村とこだわるのは“ポエジー(詩情)”を表現することだ。