イチローが移籍してから6年の歳月が流れた。いまのマリナーズのラインナップに、イチローのように突出した成績を残す選手はいない。そして、いなくなってから、あらためて、分かることもある。この日のイチローのホームランは、彼がシアトルで残して来た軌跡の素晴らしさを再確認するものだった。
地元テレビ局の実況アナウンサーは、「43歳のイチローにとって、これがセーフコ・フィールドでの最後の打席になるかもしれません」と語ったが、当の本人はまるで違った。「I think I’ll be back.(また戻って来るよ)」と、やる気満々。
再びイチローがセーフコ・フィールドでホームランを打てるかどうかは、野球の神様しか知らない。だが、引退して5年後のいつの日か、イチローに野球殿堂入り資格が与えられた時、彼がマリナーズのユニホーム姿で、殿堂入りすることだけは間違いないだろう。