芸能

降旗康男監督「成功した人の話を撮るのは映画ではないと思う」

映画『追憶』でメガホンをとった降旗康男監督

 主演の岡田准一をはじめ、小栗旬、柄本佑、長澤まさみ、安藤サクラといった若手俳優陣が勢ぞろいした映画『追憶』(東宝系、5月6日公開)でメガホンをとった巨匠・降旗康男監督(82)。

 降旗監督の映画と聞いて思い浮かぶのは、3年前に逝去した名俳優・高倉健(享年83)、ベテランキャメラマン・木村大作(77)と共に作り上げた作品群だ。『駅 STATION』(1981)に始まり、『居酒屋兆治』(1983)、『夜叉』(1985)、『あ・うん』(1989)、日本アカデミー賞監督賞・脚本賞を受賞した『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)──これら数々の映像は、今なお色褪せることがない。

 1957年、東京大学文学部仏文学科を卒業した降旗は、東映に入社する。監督の道に進んだのは、意外な理由だった。

「僕には宮仕えはできないと思っていたところ、東映は芸術職・技術職で採用されると仕事がないときは会社に行かなくてもいいという話を知り、これはいいと思いました。給料が結構よかったですしね。

 当時は就職難でコネの時代で、私も叔父のコネもあって就職できました。生まれ変わってもコネがあるか分からないから監督になるかは分からないけれど(笑い)、続いているのは水があったからでしょうね」

 1966年に『非行少女ヨーコ』で初監督を務めた。そのころすでに降旗作品に共通する強いポリシーが生まれていた。2作目として、ある企業の創業者を主人公にした映画の監督を依頼されたが、通常の4~5倍という莫大な予算だったにもかかわらず、きっぱりと断わったのだ。

「僕は成功した人、立派な人の話を撮るのは映画ではないと思っているんです。人間は負けたり失敗したりして間違った道を進んでしまうけれど、それでも生きていく。そんな姿を撮りたいと思っています。だから、堪忍してくださいと伝えました」

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン