国内

小児性愛者を見分ける境界線 目で追う、性別で区別するなど

小児性愛者のサインとは?

 千葉・松戸市で起きた小3女児殺害事件。ベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンちゃん(享年9)は姿を消した2日後、自宅から10km以上離れた我孫子市内の用水路脇で、変わり果てた姿で発見された。死体遺棄で逮捕されたのは、澁谷恭正容疑者(46才)。リンちゃんと同じ学校に2人の子供を通わせる父親であり、保護者会の会長を務めていた人物である。

 2014年に神戸市長田区で起きた6才女児殺害事件の犯人は離婚歴のある生活保護受給者。2005年に広島県安芸市で7才の女児を殺害し段ボールに詰めた男は定職につかない単身者。過去に子供が犠牲者となった凄惨な事件の容疑者には、常に閉塞感や孤独がついてまわった。

 だが澁谷容疑者は、「子供たちがまっすぐ育つように」と地域で積極的に活動する保護者会会長であり、子煩悩で教育熱心な2児の父。率先して通学路に立ち、毎朝登校する子供たちに挨拶を欠かさない、今までの女児相手の性犯罪者のイメージとは似ても似つかない人物だった。

 しかし実際、教育熱心に見えて子供の近くにいる大人が起こすわいせつ事件は後を絶たない。文部科学省の発表(2015年度)によれば、わいせつ行為やセクハラによって懲戒処分などを受けた教員の数は前年比19人増の224人で、過去最高を更新した。被害者のうち5.4%は自校の児童、35.3%は自校の生徒、3.6%は自校の卒業生。助けてくれるはずの教師からわいせつ行為を受けていたことになる。

 今年に入ってからも、1月に教室で7才の教え子の女児の胸を触った小学校教諭(36才)が起訴され、4月には教室内で教え子の女児の服を脱がせてビデオで撮影した小学校教諭(29才)が逮捕されるなど相次いでいる。

 そんな現実に「子供に優しく教育熱心な大人」に、声を大にしては言えないけれど、違和感を抱いてしまう母親は少なからずいる。

「子供たちを公園で遊ばせている時に、挨拶だけじゃなくて親しげに話しかけてきたり、たまに一緒に遊んでくれる中年男性がいますが、ありがたい半面、ちょっと警戒してしまいます」(30代・2児の母)

 相手が教師や保育士、スポーツクラブのコーチといった立場にある人でも、男性であればやはり気になってしまうと悩む母親もいる。

「娘の保育園の保育士さんはすごく面倒見がよくて、“子供好きなんだろうなぁ”と思うような男性です。でも、おねしょした時にすぐに飛んできて、着替えさせてくれたと聞いて、“大丈夫かな”と思ってしまった」(20代・1児の母)

 もちろんそのほとんどが杞憂であり、子供のことを思って行動している大人がほとんどだ。

 ただ、リンちゃんの事件では親切な大人の中に“羊の皮をかぶった狼”が紛れ込んでいないとは限らないと痛感させられた。では、子供好きな人の中に潜む、澁谷容疑者のような小児性愛者を見分ける境界線はどこなのか。

 犯罪心理学者の長谷川博一氏は、こう解説する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情