国際情報

習近平指導部が「金正恩体制崩壊」を容認する政策転換を検討

金正男の息子、ハンソルを巡って中朝が駆け引き YouTube/YONHAP NEWS/AFLO

 マレーシアの首都・クアラルンプールにおける金正男氏の暗殺を契機に、中朝関係は「帰らざる橋」を渡ってしまったようだ。中国は北朝鮮産石炭の輸入禁止に踏み切り、北朝鮮は労働党中央宣伝部が「朝中(北朝鮮―中国)関係の破局を準備せよ」との重要講話の学習会を頻繁に開催している。ジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。

 * * *
 金正男殺害事件発生から5日後の2月18日、中国は予告もなしに北朝鮮産石炭の輸入禁止措置に踏み切った。

 中国政府は「国連制裁決議が定めた2017年の輸入上限(4億ドル)に近づいた」ことを理由にしているが、中国の1月の北朝鮮からの石炭輸入額は1億2194万ドルで前年同月比59%増、輸入量自体は144万tで同13%減だった。中国の主張通りとすれば、2月の輸入額は前年同月比4 倍の2億8000万ドル前後となる。

 しかし、わずか1か月で輸入するには量が多すぎることから、「時期的にみても、石炭輸入禁止措置は中国の北朝鮮による金正男暗殺への極めて強い不快感の表明」(北京の外交筋)との見方が妥当だ。

 中国の突然の石炭輸入禁止措置について、北朝鮮は猛反発している。なぜならば、北朝鮮の対中輸出額の4割以上は石炭で占められているからだ。

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は23日、「汚らわしい処置、幼稚な計算法」との論評記事を配信。「法律的根拠もない国連の『制裁決議』を口実にして、人民の生活向上に関連する対外貿易も完全に遮断する非人道的な措置をためらわずに講じている」と中国を強く批判。「米国と波長を合わせて」、「敵対勢力とともに朝鮮の制度を破壊しようとする陰謀と同じだ」などと激しく非難している。国営通信がこのような露骨な対中批判を展開するのは極めて異例だ。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン