「郭会長自身が創業者だけに、目のつけどころがシャープです。同社の社員は鴻海に買収されたことで不安感を高め、優秀な人材の流出も起きている。
そういう状況で郭会長や戴社長が創業家を誉め称えれば、社員は『鴻海はシャープの歴史を大切にしてくれる』と安心する。鴻海側も日本企業を経営するには何らかのよりどころが必要で、それを創業家一族を重用し、創業の精神への回帰に見いだしたということではないか」
もっとも郭会長の言動には「シャープ支配のために創業家を利用しているだけではないか」との声もある。いずれその「敬意」が本物かどうかわかるはずだ。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号