経営危機に陥った東芝は決算発表を二度にわたって延期した末に、監査法人のお墨付きを得ないまま、2016年(4~12月期)決算を発表せざるを得なくなるという異常事態を迎えた。このままの状況が続けば東証二部落ちどころか、いよいよ上場廃止も現実味を帯びてくる。
「東芝を変えるためには、東芝を売るべき」と考えるのは、経済評論家の勝間和代氏だ。
「現体制で経営を続けても、状況は変わりません。半導体事業を売却しても、また同じような状況に陥ることは間違いない。結局はガバナンスの問題なのです。本来なら株主が経営陣の一掃を求める局面ですが、そうした言動は見られません。だから現体制がやりたいようにやっている」
今の株主構成である限り、経営陣か変わらず、再建には踏み出せないと勝間氏は考える。
「間違った意思決定を繰り返した経営陣を一新して、外部の人材を活用して経営を立て直すのが一番です。荒療治ですが、どこかのファンドに東芝を売っ払い、ファンドが送り込む人材に経営を任せてしまえばいい。
現経営陣は半導体事業を売却しようとしていますが、逆に半導体を含めた東芝を丸ごとファンドに売るのです。それで得られるお金で半導体事業を維持すべきです。今の経営陣は、東芝という名前と社員を守るためだけに、本当は手放してはならない半導体事業まで売ろうとしている。