41兆5000億円──。厚労省の発表した2015年度の医療費の総額である。過去最高の数字で、この10年で8兆円も増えている。
超高齢化社会を迎え、今や医療費が国家予算90兆円の半分に迫る勢いだ。1人当たりの医療費は年額32万7000円(75才未満が平均22万円、75才以上が94万8000円)と、こちらも過去最高。
加えて重くのしかかるのが介護費用である。親が要介護認定された家庭の1か月あたりの平均介護費用は7万~8万円といわれ、負担はあまりに大きい。家計をひっぱくさせる医療費と介護費をいかに節約するか、多くの主婦にとって悩みの種となっている。
新生活のシーズンを迎え、「今年こそは」と支出カットを目指すあなたのために、本誌は医療費と介護保険料を劇的に抑える裏ワザを徹底取材。ゴールデンウイークに家計を立て直すためのテクニックを紹介する。
◆100万円の治療費でも自己負担約9万円
国民皆保険の日本では、治療費の自己負担額は70才未満の場合3割。残りは健康保険から支払われる。とはいえ、大病を患い、入院や手術が100万円にものぼる治療を受けた場合、3割の30万円余りを支払うのはかなりイタい。
そんな場合、絶対に利用するべきなのが、「高額療養費」である。『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクするワザ技30』(ダイヤモンド社)の著者で医療問題に詳しいジャーナリストの早川幸子さんが説明する。
「家計に過度な負担を与えないよう、患者が1か月に自己負担する金額に上限を設けた制度です。現在、70才未満の人の限度額は収入に応じて5段階に分けられています」
例えば月収40万円のサラリーマンの場合、【8万100円+(総医療費−26万7000円)×1%】で、仮に総額100万円の治療を受けても、自己負担は9万円弱で済む。
「事前に自身の加入する健康保険組合に『限度額適用認定証』を発行してもらい、病院の窓口で提示すれば、最初から限度額までの支払いでOKとなります」(早川さん)
万一この制度を知らないで3割を自己負担してしまっても、健康保険組合に申請すれば超過分は払い戻しが受けられる。
◆薬は3か月分まとめて処方してもらう