ジャンルを横断し、野心的な作品を世に問い続けてきた筒井康隆氏の発言がネットで炎上した。御年82歳の大御所作家に世間は厳しい。だが、“熱狂的ツツイスト”を自称する古谷経衡氏の立場は明快だ。発言自体は肯定できない。だが、それをもって筒井文学を否定する社会は異常である、と。古谷氏が語る。
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作家・筒井康隆氏が自身のブログ『笑犬楼大通り 偽文士日碌』にて書いた或る文章が「炎上」した。釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像について氏が「長嶺大使がまた韓国へ行く。慰安婦像を容認したことになってしまった。あの少女は可愛いから、皆で前まで行って射精し、ザーメンまみれにして来よう」の部分が、同氏のツイッターに転載されたことから一挙に「炎上」が拡大。
すわ国内で「差別だ」「筒井はネトウヨだ」の声が広がり、韓国では「『時をかける少女』の作家が妄言」と大々的に報じられ、ついにはかの国で氏の最新長編『モナドの領域』の翻訳版が販売中止に追い込まれる事態にまで発展した。
いかにも被害者側の韓国で、この手の発言が問題視されるのは致し方ないであろう。しかしながら、日本国内で次々と「ファンだったのに失望した」「筒井って差別主義者のネトウヨだったんだね」という非難の声を観るにつけ、私の怒りのボルテージは上がっていく。