女性の手に触るというのは、簡単そうで難しい。おじさんになってしまうと、なかなかチャンスがない。ミニコミ誌『酒とつまみ』創刊メンバーの大竹聡氏による週刊ポストの連載『酒でも呑むか』から、とある居酒屋で学んだ、若い女の手に触れる方法についてお届けする。
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いきなりでナンなんですけれども、女性の手というのは、いいものですな。ほっそりとして、柔らかで、見た目がっちりした女性でも手を握ると意外なほどに華奢だったりします。うん、スケベな話で恐縮ですけれども、いいもんだ。
とはいえ、女の手というのは、そうそう触れるチャンスのあるものではないですな。そう、チャンスがない。パワーとマネーがあればそういうチャンスにも恵まれやすいのかもしれませんが、私なんぞはいつだってアイ・ヘフ・ノ・マネ(手元不如意)でありますから、チャンスの望みようがない。
だったらなぜ女の手なんて話をするのかというと、パワーやカネの持ちあわせもないのに女性の手を狙う輩が多いという衝撃の事実を、狙われている側の妙齢の女性から知らされたからなのです。
彼女いわく、タクシーの中で狙われる。男のほうはたいてい、というより100%、酒が入っているわけです。そう、酒の力を借りて暗がりの中で華奢な手を探り、あわよくばなし崩しでもって云々、と、考えてのことらしい。