メールと電話の使い分けマナーなど、若者とおっさんのマナーに関する世代間ギャップが激しい。そこで大人力コラムニストの石原壮一郎氏が世代間ギャップで「おっさん迷惑にならないマナー」3ヵ条を考えた。
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マナーの常識は、時代や世代や業界によって大きく変わります。おっさんがよかれと思ってやったことが、若者に反発を覚えさせていることは珍しくありません。逆もまたしかり。そのギャップが、あちこちで衝突や悲劇を生んでいます。
このところ話題になっているのが、電話とメールの使い分けについて。最近は「いきなり電話をかけるのは失礼」と感じる人が少なからずいるようです。「電話というのは相手の時間を奪う行為だから、まずはメールで連絡するのがマナー」「仕事上の連絡は記録が残るメールが望ましい。電話で済まそうとするのは非常識」――。少し前から、そんな声が目立つようになっています。いやはや、おちおち電話もかけられません。
ミスをして仕事先に謝罪するときも、かつては「まずは電話して、直接会って謝罪して事情を説明する」という手順を踏むのがセオリーでした。しかし昨今は「電話されるのも訪ねて来られるのも迷惑。メールで連絡してほしい」と思う人が増えているとか。「とにかく会わないと失礼」と信じている側の強引さが「会いに来てほしくない」と思っている側をさらに怒らせて、話が余計にこじれるケースも少なくありません。
ことさら迎合する必要はありませんが、知らないうちに顰蹙を買っていたり、おっさん臭さが強調されたりする事態はなるべく防ぎたいもの。というわけで、おっさん総研の綿密な調査で判明した「おっさんはよかれと思ってやりがちだけど、いかにもおっさん臭い印象を与える“そうじゃないマナー”3選」を発表します。
【1】パソコンのメールで、いちいちタイトルを変えたりそれまでのやり取りを削除したりしてから返信する
たしかに20世紀には「メールのタイトルを変えずに、頭に(Re;)を付けて返すのは雑なやり方」「下にずらずらっとくっついたままにしておくのは失礼」という“常識”が一部にはありました。しかし、それはやり取りするメールが今より格段に少なく、通信環境もパソコンの性能も非力だった頃の話。今となっては、いちいちタイトルを変えたりそれまでのやり取りを削除したりするのは、ありがた迷惑でしかありません。