台湾の立法院(議会)ではこのほど、動物保護法の改正案を可決し、これまで認められていた犬や猫の食用を禁止した。これまでも犬や猫の肉の販売は禁じられていたものの、食用の禁止はアジアで初めて。
中国の広西チワン族自治区では毎年6月、「犬肉祭り」が開かれ、1万匹が食肉処理されているが、このところ欧米のほか、中国内でも祭りの中止を求める声が高まっている。今回の台湾における改正案は中国と台湾の文化度の違いを強調する狙いがあるとみられる。また、台湾の蔡英文総統は猫を2匹飼っているほか、昨年には引退した盲導犬3匹も引き取っており、改正案には蔡氏の意向も強く働いているようだ。
法案は今月中に公布され、犬猫の肉の売買や食用の場合、最高25万台湾ドル(約90万円)の罰金が科される。さらに、犬猫を死なせたり、傷つけた場合は最長で禁錮2年の服役と最高200万台湾ドル(約720万円)の罰金。犬をバイクや車につないで走らせることも禁止されている。違反者は名前や顔写真などが公表される。
台湾では昨年10月、マカオからの留学生の国立台湾大学生が野良猫を殺した容疑で逮捕され、裁判で禁錮10カ月の判決が下されている。