いびきには鼻づまりや疲労から生じる「単純性いびき」と、睡眠中に1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸が生じる「睡眠時無呼吸症候群によるいびき」の2種類がある。
国内外の研究結果によれば、睡眠時無呼吸症候群と診断された人は健康な人と比べて、心筋梗塞など心血管疾患が3.2倍、脳梗塞やくも膜下出血といった突然死にいたる脳血管疾患が3.1倍、糖尿病が2.3倍、高血圧が2.1倍と発症リスクが高くなるといわれる。
こうした多くの重大疾患を引き起こす危険性がある「いびき」だが、特に「高齢者になると、喉元の筋肉が弱くなるため、いびきをかきやすくなるといわれている」(『スッキリした朝に変わる睡眠の本』の著者で、東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身・院長)とのこと。
「いびき」をコントロールするのは困難なことのように思えるが、実は睡眠習慣の改善のなかでもっとも簡単にとりかかれる。
「いびきは仰向けに寝たときに喉の奥に舌が沈んで気道を塞ぐことが主な原因です。したがって、意識して横向きに寝れば、舌が沈み込むのを防ぐことができ、呼吸がしやすくなります」(同前)
横向きで寝てもいびきが改善されない場合は、肥満のため喉の脂肪が気道を圧迫していると考えられる。その場合はダイエットが急務だ。