人は女に生まれない。女になるのだ――。そう言ったのはフランスの哲学者・ボーヴォワール。確かに私たちは、物心ついた時からずっと、「見た目」に振り回され、女であることを意識させられ続けてきた。
物心ついたときから、男子にモテるのは、目が大きくて、色白の、華奢なタイプだと知らされる。そこに近づこうと、ファッション誌を見てはモテ服にモテメイクを研究し、日々ダイエット。年齢を重ねてからは、かわいげがないとぞんざいに扱われることを知り、一方でシミ・しわ・たるみとの闘いが始まる。
いつまでも若く美しく、そして愛される女で見られるかは、人生の大テーマ。そうしたなかで“年齢不詳”という言葉に誘惑され、とらわれていくのは、ごく自然な流れともいえるかもしれない。
しかし、こうした男目線の呪縛から抜け出すことが、エイジレスビューティーにはもっとも大事だ。
「若さが武器となったり、若いことが美徳とされる、男性のロリコン嗜好が、日本には文化として根付いてしまっているでしょう。だからそれでそこに引っ張られていっちゃう女の人が多い。男の人を意識して、若くいなきゃいけない、ちょっとでも若く見えるようにしたいっていう呪縛ね。だから結婚していたとしても、なんかいつまでも縛られた苦しい感じに見えるんだと思います」(おぐねぇー)
折しも、今クールのドラマ『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)がなにかとニュースになっている。
見た目が冴えない主人公を演じている桐谷美玲(27才)が、『世界で最も美しい顔100人』の8位に選ばれたこともある美人ということから「感情移入できない」「世界中のブスに謝れ」などと炎上しているのだ。
対してドラマ初出演の、今最も旬な女芸人・ブルゾンちえみ(26才)は、演技も含めて大絶賛されている。
ドラマを出た“場外”でも、こうした「見た目」問題が発生しているわけだが、本誌・女性セブンが50代・60代の女性200人に緊急アンケートをした結果、女性の32%が「いくつになっても見た目が100%」と回答した。「20代の頃はそう思っていたが、30代を超えてからそう思わなくなった」は33.0%。「今までも、これからも、一切そうは思わない」は28.5%。「20代の頃はそう思わなかったが、30代を超えてからそう思うようになった」は6.5%。