シリア空爆に米朝緊張と、軍事行動を厭わない姿勢をトランプ大統領が鮮明にしていく中で、米国内では戦略的忍耐で“安定”をもたらしたオバマ前大統領時代を懐かしむ声が広がっている。
しかし、そんな郷愁感が一瞬にして醒めるニュースが、4月末に駆け巡った。
オバマ氏が今年の9月にニューヨーク・ウォール街で投資銀行主催の会議に出席し、講演を行なうことが明らかになったのだ。その報酬額は40万ドル(約4500万円)とされ、大統領時代の年収をたった1回の講演で稼ぎ出すことになる。
かつては政治家がウォール街と癒着することで政治の腐敗を招くと指摘し、「一般の人々の犠牲でウォール街が潤う経済政策を続けることはできない」などと、「庶民寄り」を強調してきたオバマ氏だけに、その“変節”には批判的な声が上がっている。元産経新聞ワシントン駐在特派員で在米ジャーナリストの古森義久氏が言う。
「米国では“大統領は退任後に稼ぐ”と言われています。特に儲かるのが回顧録の出版。これまでの出版契約金の最高額はビル・クリントン氏の1500万ドル(約17億円)でしたが、この2月、オバマ夫妻が契約した金額は6000万ドル(約68億円)と言われ、最高額を更新。オバマ氏が荒稼ぎしていることに民主党の議員からも、“残念だ”などの否定的な声が上がっています」
最近のオバマ氏の生活はセレブそのものだという。