国際情報

習近平後継に急浮上した李書磊 「神童」と呼ばれた幼少期

李書磊は14歳で北京大学に入学したエリート

「これまで海外に逃亡した腐敗犯は2万人、横領された国家資産は1兆元(約17兆円)にも達する。追及の手を緩めてはならない」

 こう檄を飛ばすのは李書磊・中国共産党中央規律検査委員会副書記だ。李書磊といえば、長年、習近平のスピーチライターを務めてきた最側近。10年後の「習近平後継」として頭角を現しつつあるこの男の人物像とは? ジャーナリストの相馬勝氏が迫る。

 * * *
 李書磊は今年1月、北京市副市長から規律検査委副書記に転出した。そのトップである同委書記は習近平の盟友かつ、最も信頼している党最高幹部の王岐山で、習近平指導部にとっての最重要課題である反腐敗闘争を一手に担ってきた。そのため、王は8回も命を狙われてきたといわれる。

 そのような党中枢の最重要部署である規律検査委のナンバー2格となる副書記に任命されたことで、李に対する習近平の信頼は並々ならぬものがあることがわかる。それは李が同委の中で任務達成が最も困難とされる国際部門のトップに就いたことが物語っている。

 そのポジションの正式名称は「国際追逃追臟工作弁公室」で、簡単に言うと「国際逃亡犯追跡逮捕・不法資産没収グループ」(以下、国際グループ)だ。

 リード冒頭の李の発言は3月21日から24日まで北京で開催された同グループ全国大会の演説の一部だ。

 実は李がグループのトップに就任したことは、この日の大会開催まで秘密にされていた。李は習近平の最側近だけに、李が大会に姿を現すと、中国全土から集まった220人の地方幹部の参加者からの「オオオオーーッ」というどよめきが会場全体を包んだほどだ。

関連キーワード

トピックス

百合子さまは残された3人の仲を最後まで気にかけられたという(2023年6月、東京・港区)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン