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【書評】JR東海名誉会長が明かす「改革三人組」の訣別

【書評】 『飛躍への挑戦 東海道新幹線から超電導リニアへ』/葛西敬之・著/ワック/本体1800円+税

【著者プロフィール】葛西敬之(かさい・よしゆき):1940年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒後、国鉄入社。JR東海代表取締役社長、会長を経て代表取締役名誉会長。著書に『未完の「国鉄改革」』(東洋経済新報社)、『国鉄改革の真実 「宮廷革命」と「啓蒙運動」』(中央公論新社)など。

【評者】鈴木洋史(ノンフィクションライター)

 著者は分割民営化に尽力した国鉄内改革派の中心人物の一人で、いまなお代表権を持つ名誉会長という異例の立場にあるJR東海の実力者。本書は分割民営化の経緯に始まり、民営化後のJR東海の歩みを振り返った回顧録だが、書名から想像しがちな、綺麗事や建前ばかりの回顧録とは大いに異なり、内幕を生々しく描き、随所で歯に衣着せぬ意見を表明する。

 なかでも興味深いのは、著者とともに国鉄内「改革三人組」と括られた他の二人井手正敬氏(JR西日本の社長、会長を歴任)、松田昌士氏(JR東日本の社長、会長を歴任)との対立に言及し、二人を批判した箇所だ。

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