あるポスターの存在が、ネットを中心に話題になったのは4月末のことだった。「京都のあっちこっちにあったポスター」などの紹介文でツイッターに写真が掲載されると、「春頃から京都で貼られまくっているポスター」として広まり、思わぬ騒動に発展しているのだ。
瞳を閉じてうっとりとした笑顔を浮かべる美女の頬には日の丸を連想させる赤くて丸いマークが描かれ、背景には日本国旗が広がる。大きな文字で「私 日本人でよかった。」というキャッチコピーがあり、下部には日の丸とともに「誇りを胸に日の丸を掲げよう」との一文がある。
しかしポスターには制作者や関係団体の名称は一切記されておらず、誰が、何の目的で作ったのかわからない。そんな“日本人でよかったポスター”に関心が集まったきっかけは、ポスターの制作者として、全国の神社を包括する「神社本庁」の名前が挙がったことだった。
折しも、森友学園騒動で神社本庁と関係の深い「日本会議」や「愛国教育」が話題になっていたことが重なり、“神社本庁製作”情報はネットを席巻。ポスター騒動は否定・肯定の両陣営に分かれて一段とヒートアップした。