候補者が有権者の話を聞いて要望を汲み上げるのは重要な活動であり、「お茶も出すな」とは過敏すぎるように思えるが、メディアへの対応も同様だった。
本誌記者が都民ファーストの都議候補の1人に毎朝、駅前で行なっている「朝立ち」(街頭演説)を取材したいから日程を教えてほしいと申し込むと、「都民ファーストの許可を取ってくれ」という回答。そこで都民ファースト本部に連絡すると「質問内容を提出していただきたい」(広報担当者)。街頭演説を聞くだけでこの対応。いかに神経質になっているかがわかる。
自民党は押せ押せムードに自信を回復。日経新聞の都議選支持率調査では母数は少ないながら(152人が対象)「自民32%、都民ファースト17%」と形勢逆転が報じられている。
「党の調査では自民47議席対都民ファースト47議席で互角の情勢。かなり巻き返してきたが、活動が緩まないように候補たちには“40議席対50議席で負けている”と伝えている」(自民党都連選対スタッフ)
小池氏はテレビで「自宅初公開」するなどメディア露出を増やしてアピールするくらい。勢いに欠けるように見えるが、手詰まりというわけではなさそうだ。実は、有権者に見えないところで自民党の票田をジリジリ締め上げ、“ケンカ上等”の本領を発揮していたのだ。