女性セブンの名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中をぶった斬る! 今回のターゲットは「ワイドショー」だ。
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高校を遅刻してまで見ていたワイドショー。思えば、45年も見続けているのよね。旬のニュースや話題を私にもよくわかるようにかみくだいて面白く見せてくれるのはワイドショーをおいてほかにない、そう思っていたもの。
だけど最近、ちょっと違うんじゃないのと思うことがいくつかあるんだわ。かつて、局アナが司会をしていたところにだんだんとお笑い芸人が進出してきて、今はそれが当たり前。
いくらかの違和感があったものの、最初はそれが新鮮だった。でも、芸能ど真ん中の彼らが、軽快に回していればそれでいいのか? という疑問も湧いてくるわけよ。
◆この人の口からその話題を聞きたいか?
たとえば最近の北朝鮮問題。日本に届いてしまうかもしれないミサイル攻撃の不安を打ち消せないから、私は雑事の手を止めて、ニュースを聞き、録画された識者の解説に耳をすますわけ。
そして、それが終わるや画面はスタジオへ。ズラリ居並ぶコメンテーターは、この事態を何という! それぞれの専門家のまさに腕の見せ所──のハズなのに。
司会者も過不足なく相づちを打って、次のコメンターにつないで…と、だんだんこっちが気をゆるし始めたあたりで、「え、え~ッ!」という事態が起こるわけよ。
「いががですかぁ~」と司会者が何の脈略もなく、どう考えても、北朝鮮だの政治だの、国防だのに関心があるとは思えないタレントや、文化人まがいの人物に質問するんだもの。タレントもタレントで、「そうですね」などと平然とした顔で語り出す。