◆子育て・孫育てにもパワー発揮
桜美林大学教授で、『子育てに効くマインドフルネス』(光文社刊)著者の山口創さんは、「子育てや孫育てにも効果がある」と指摘する。
「子育てにイライラして、つい子供にガミガミ言ってしまいがちですが、マインドフルネスを身につけることで、自分自身の怒りに客観的に気づけるようになります。一呼吸おいて、今自分は怒っているんだ。“それは、なぜだろう?”といったふうに、自分が怒っていることに冷静に気づけると、別の方法で子供に接することができるようになります」(山口さん)
そして、親だけでなく子供も実践することで、さらに親子関係がよくなっていく。
「子供もできる方法を教えましょう。3粒のレーズンを用意します。最初はまだ口に入れずに、レーズンを観察することに意識を集中し、1分かけて表面の色や形、においや手触りに注意を払って観察します。次にそれを1粒ずつ口に入れ、また1分かけてまずは噛まずに、口の中の感覚に意識を向けながら舌でレーズンに触れてください。その後ゆっくりと噛んで、味わい、そしてのみ込んでください。『食べる』という、もっとも日常的で身近な行為を集中して行うことで毎日の行動をいかに意識せずに行っているか知ることができるんです」(山口さん)
情報過多で時間に追われる現代社会が生み出すストレスや人間関係の悩みを改善するマインドフルネス。山口さんが言う。
「普段私たちは、今ここにいない人のことや、今起きていない物事を考えて、目の前のことに気づけずにいることがあまりに多い。今この瞬間に起きているいろんなことに気づけるようになるのが、マインドフルネスのいいところ」
早速チャレンジして「疲れない脳」を手に入れよう!
※女性セブン2017年6月1日号