同じ週刊誌を名乗る本誌として、対岸の火事では済まされない問題である。週刊新潮が同じ木曜日発売のライバル誌・週刊文春を「スクープ泥棒」「産業スパイ」と罵ったのだ。5月18日発売の同誌は、グラビア3ページ、記事10ページの特大特集で、文春が新潮の中吊り広告を“カンニング”していた問題を告発した。
新潮関係者が説明する。
「電車内などに掲示する中吊り広告は雑誌の締め切り前に作られるんですが、文春の社員が出版取次会社からウチの広告を入手して盗み見ていたんです。ウチの記事に合わせて取材を追加したり先にネットで速報したりといったことを繰り返してきた。そんな姑息なことをしていながら“文春砲”などと大きな顔をしているのはいいかげん我慢ならないと、2年ほど前から少人数の取材班を結成し、極秘で取材を進めていたんです」
直撃取材には定評のある文春だが、いざ取材される側になると弱かったようだ。
新潮の発売日には週刊文春の全編集スタッフが集まる会議が開かれ、そこで新谷学・編集長は「不正はなかった」「記事の書き換えもしていない」と強調したうえで、「この件は誌面で反論はしないが、読者に堂々と胸を張れる独自スクープで対抗しよう」との開き直りにも聞こえる“決意表明”があったという。
新聞・テレビがこぞって取り上げるなど、騒動は週刊誌業界の内輪揉めに止まらない広がりを見せている。