自販機本とエロ劇画誌が人気だった1977年、現存する唯一の巨乳専門誌『BACHELOR(バチェラー)』が初めて書店に並んだ。以来40年、同業他誌が次々と姿を消すなか、今もなお巨乳ファンを魅了し続けている。創刊直後から同誌に携わり、世界中の“巨乳”を発掘してきた4代目(1984年~)編集長・白石弘氏は語る。
「創刊号は大場久美子や香坂みゆきほか、荒木一郎までも特集する一方、セクシーなグラビアも載せる中途半端な芸能誌でした。当時売れていた『GORO』の出来損ないのような雑誌で(笑い)、返品率が8割を超えるほどまったく売れませんでした」
3号を発売した時点で早くも廃刊の瀬戸際に追い込まれ、背水の陣の4号から外国人の絡みヌードを中心にした「エロ本路線」に大きく舵を切った。これが功を奏して売り上げ下落に歯止めがかかり、さらに1979年12月号で3代目編集長・毛利朋友氏が打ち出した「巨乳路線」が人気を博し、軌道に乗った。
巨乳願望をくすぐる外国人モデルのグラビアは、根強いファン層を手中に収めた。創刊当初からの愛読者である現代美術家・松蔭浩之氏はこう語る。
「性衝動を満足させるためだけなら『プレイボーイ日本版』(1975年創刊)や『GORO』(1974年創刊)でこと足りました。しかし、我々はもっと強烈な裸を求めていた。そこに登場したのが『BACHELOR』でした。誌面に所狭しとちりばめられた巨乳モデルからは、日本では見ることのできない豊かさや大きさを見せつけられた気がしました。もっとも、同級生たちからは『変態』と白い目で見られましたけどね(笑い)」
松蔭氏は巨乳好きが高じて、同誌でカメラマンも務めた。