「医療ミス」というと誤診や医師の技術不足など、医療行為そのもののミスを想像しがちだが、それ以上に多いといわれるのが医師の「過労」を原因とするものだ。医師に過重労働を強いる「ブラック病院」ほど医療ミスが発生するリスクが高いこともわかっている。「ブラック病院」を見分けるには、どんな点に気をつけたらよいのか。
■「診察2分以下」は要注意
そうした“手軽な診察”は医師個人の資質の問題ではなく、彼らが勤務する病院の問題かもしれない。
「3時間待って3分診察」とは病院を揶揄する際によくいわれるが、それよりもひどい病院もある。病院経営に詳しい医療サービスアドバーザー・武田哲男氏が指摘する。
「医師が2分以内の診察で患者を回すと、回転率を上げて売り上げに貢献したとして院長から表彰される病院もあるほどです。
大きい病院になるほど、医師は効率よくスピーディに診察することを求められる。同じ時間でもより多くの患者を早く診なければいけないことで、精神的なプレッシャーにもつながってくる。時間に追われている医師は“一応レントゲンを撮っておこう”という余裕がなくなり、患者の重篤な症状を見逃すケースも少なくない」