臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、高梨沙羅選手のメイクはどこをどう変えたかに注目。
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「高梨沙羅が鍛え上げた肉体を披露!」というネットニュースに、まさか、惜しげもなくその肉体美をさらしてしまったのか、と慌ててクリックしたものの、表れたのは、トレーニングウェアに身を包んだしなやかで鍛え上げられたボディライン。
女子スキージャンパーとして世界的に活躍する高梨沙羅選手が登場したのは、『Women’s Health』の表紙だ。フィットネス&ライフスタイルをテーマに世界54か国で愛読されているというメディアだが、ウェブに掲載されたのは美しい肉体だけでなく、ばっちりメイクを施したモデルばりのポージング写真だ。
これまでは素朴であどけない顔だが、芯が強くストイックに努力する小柄な天才ジャンパーのイメージがあった高梨選手。同じく幼い頃から注目されてきた福原愛選手や浅田真央さんみたいに、愛ちゃん、真央ちゃんと呼ぶような親しみやすさやかわいさより、愛想のない硬質な印象のほうが強かった。
それはスキージャンプという競技のせいもあるだろう。卓球やスケートに比べ認知度や注目度が低く、ちょっと観ただけでは採点方法がよくわからない上に、たった数秒で終わってしまう。競技人口も少なく、見ている側にとっては、選手の姿に一喜一憂し、共感できる要素が残念ながらジャンプには少ない。
加えて、選手はウェアに身を包んでいるため体型がわからなければ、ヘルメットにゴーグルをつけているため顔も表情もわからない。かわいさや美しさが競技そのものに与える影響はほとんどなく、飛び終わってゴーグルを取った時でさえ、カメラがその表情を捉えるのはほんの一瞬。勝利のインタビューに応える時も、高梨選手はスッピンに近い顔で口数が少なく、淡々と喜びを伝える様子が映るだけ。
だからなのか、20歳になった彼女のイメージチェンジには本当に驚いた。周りの人に身だしなみについて気をつけるよう言われ、始めたというメイクで、目元ぱっちりかわいくなった…というより驚くほどきれいで大人っぽくなったのは周知の事実。最初に、試合後にゴーグルを取った顔を見た時など「これは本当に、あのあどけなかった高梨沙羅か?」と画面を二度見したほどだ。
身体全体のバランスからすれば、ちょっと顔が大きめの高梨選手。化粧をする前は、やや目が離れ気味で、まぶたが腫れぼったく、眉毛は太めで短くゆるやかなアーチ型。どうにも素朴で、顔全体が平たい印象になっている。
アイメイクに目が向きやすいが、眉毛が変われば第一印象が変わると言われるほど、眉毛は顔の中でも大事なパーツ。高梨選手の眉毛も整えられ、眉尻が少し長めで細くなったことで、垢抜けてクールで知的な印象になった。さらに眉頭を自分の眉頭よりほんのわずか上の位置からはっきりと描き始めることで、両目の間が前よりも狭く見え、それでいて眉全体は自分の眉より少しだけ下に下げることで、眉毛と目の間を狭く見せている。