ちなみにディープインパクトの国内唯一の敗戦は2005年の有馬記念で、このときの勝ち馬ハーツクライは、2014年のダービー馬ワンアンドオンリーの父。国内のみならず海外GIも勝っており、やはり強い父が強い子を送り出している。
現代日本競馬の血統といえば、サンデーサイレンス(以下SS)を抜きにしては語れません。前出のディープインパクト、ハーツクライ、ネオユニヴァースのほか、2011年オルフェーヴルの父ステイゴールド、2008年ディープスカイの父アグネスタキオンもSS産駒。2015年ドゥラメンテは母アドマイヤグルーヴの父がSSです。初年度産駒がクラシック世代となった1995年(タヤスツヨシ勝利)以来、SS絡みの馬が2016年までに14勝をあげています。
キングカメハメハが勝った2004年にしても2着から7着までがSS産駒でしたし、オルフェーヴルが勝った2011年は、出走18頭すべてがSSの孫でした。
私が初めてSS産駒に接したのは松田国英厩舎の調教助手だった時。重賞を4勝し、桜花賞でも2着に入ったフサイチエアデールという牝馬でした。とても柔らかくて、いままで知っていた馬とは動きが違って、猫のように飛び跳ねる感じ……乗っている方は怖いという感覚でした。