「不可解な判定」でWBA世界ミドル級タイトルマッチに敗れたロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31)。ファンの間には落胆が渦巻いているが、意外にも「村田の商品価値は上がった」と見るボクシング関係者は少なくない。
「これまで村田は元五輪金メダリストという肩書きはあったものの、世界トップクラスの選手と対戦したことがなかったため、ボクシング関係者は彼の真の実力を測りかねていた。だが、今回のアッサン・エンダムとの一戦で世界でも勝てる実力を証明した上に、敗れたとはいえ、“疑惑の判定に泣いた”という物語まで付いた。商品価値は跳ね上がっており、ケタ違いのカネが動く米国のショービジネス界も放ってはおかないでしょう」(スポーツ紙記者)
焦点は村田の次戦がどうなるかである。WBAのヒルベルト・メンドサ会長も「村田が勝っていた」と試合の翌日に異例の謝罪、声明を出してエンダムとの再戦をリクエストした。そして、25日にメンドサ会長は会見を開き、再戦を指示した。
「エンダムと再戦すれば、因縁の対決だけに興行規模は大きく膨らむ。総額5億円といわれた今回のファイトマネーを大きく上回る可能性は高い。試合で“恐るるに足らず”とわかった相手だけに、負けるリスクも少ない」(同前)
だが、それ以上にビッグマネーを掴むチャンスがある。WBCでの世界戦だ。現WBC王者のゲンナジー・ゴロフキンは37勝(33KO)無敗の怪物王者として君臨。今年9月に予定される人気ボクサーのサウル・アルバレスとの一戦はファイトマネーだけで総額20~30億円といわれている。ボクシングライターの原功氏が語る。