前川氏は自らに対するネガティブ報道がこの時期に相次いだことをどう受け止めたのか。本誌のインタビューはその点に踏み込んだ。
──出会い系バーに通ったという報道は事実か。
「行ったのは事実です。だけど買春も、ましてや未成年との淫行もしていない。彼女たちに食事をおごって身の上を聞いた。家庭内の虐待で中学生の頃に家出し、友人と住所不定の生活をしている子がいました。そのバーで男を捕まえたら一晩過ごし、お金ができればネットカフェに泊まる。ああいうところに流れ着く子を見て、学び直しを経済的にサポートする仕組みが必要だと思い知りました。別の女性の話からは通信制高校の実態も知ることができた」
──読売は「前川氏は取材に応じなかった」と。
「メールで質問は来ましたが、答えてもちゃんと報じないだろうと思って答えませんでした。読売の記事に『値段の交渉をしていた女の子もいる』と話す女性のコメントが出ていますが、そんな記憶はありません」
──読売報道を官邸の圧力と感じたか。
「正直、取材のメールが来てもあの読売新聞が実際にこんなことを書くとは考えていなかった。日本を代表するクオリティ紙ですよ。しかも、書いてしまったら威嚇にならない。実際に記事が出た時には、やはり当惑しました」(読売新聞グループ本社広報部は買春バー通い報道と〈総理のご意向〉文書の関係について「記事掲載の経緯についてはお答えしていません」と回答)。
核心の加計疑惑に質問が及ぶと、中立公正であるべき行政が歪められたという思いを口にする。