14歳の藤井聡太四段の快進撃に沸く将棋界の抱えていた“難題”は、これで解決したのだろうか。対局中のコンピューターソフト不正使用を疑われた三浦弘行九段が昨年10月に竜王戦への出場停止処分を受けた問題で、5月24日、将棋連盟は三浦九段に慰謝料を支払うことで合意したと発表。
第三者委による検証で不正が確認されなかったことを受けての合意であり、同日、連盟の佐藤康光会長と三浦九段は記者会見で顔を揃え、笑顔で握手。“和解”をアピールした。ただ、第三者委が結論を出したのは昨年12月末。合意までに5か月もかかった。
「まず、慰謝料の額の折衝に時間がかかった。三浦九段が出場できなかった竜王戦は、挑戦するだけで1600万円、タイトル獲得なら4000万円の賞金がある。補償額は2000万~3000万円程度と考えられます」(現役棋士の一人)
今回の会見では、三浦九段に支払われる慰謝料の額は「非公表」とされた。
「数千万円というカネは連盟には大金。実はそれをどう捻出するかこれからの大問題なんです。佐藤会長は会見で原資について『現状では将棋連盟の予算からと考えているが、高額なのでこれから議論する』と言葉を濁しました」(同前)
連盟の処分が誤っていたために支払う慰謝料なのに、連盟の予算以外から出す選択肢があるのだろうか。