日本の法定労働時間は、原則1日8時間、週40時間と決められている。法定労働時間を超える場合は、36協定で残業時間の上限を「月45時間、年360時間以内」と規定されているが、罰則付きのぎりぎりの特例として「月平均60時間、年720時間」という規定も設けられた。
長時間働くことは、脳卒中やうつ病、過労死など、健康に害を及ぼすリスクがあることを、もっと重く受け止める必要がある。
国をあげて働き方改革が議論されているが、雇用者側に立った「働かせ改革」ではなく、働く人の健康や生き方を大切にするような「生き方改革」を進めていってもらいたい。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『遊行を生きる』『検査なんか嫌いだ』
※週刊ポスト2017年6月9日号