バブルが華やかなりし1990年前後、男性誌のグラビアページを開けば、杉本彩、岡本夏生、かとうれいこ、飯島直子らが鋭いハイレグ水着を身に纏い、美を競っていた。なぜバブル時代に、ハイレグが受け入れられたのだろうか。女性用水着販売大手、株式会社Ai(旧・三愛)の取締役・丸田隆司氏は「やはり経済状況との関係は見逃せません」と語る。
「当時は女性の社会進出が騒がれた時代で、女性が遊びや自分にお金をかける豊かさがありました。自分を少しでも美しく見せたいという女性の欲求を、脚が長く、スタイルが良く見えるハイレグが満たしたのだと思います」
“景気が良いとミニスカートが流行る”という説がある。好景気では女性の脚の露出が増え、不景気だと減るというものだ。ハイレグの流行もこれと一致している。
「バブル景気が崩壊し、1994年頃にハイレグ人気も終焉を迎えています。この頃、ワンピース型の水着からセパレートのビキニが流行し始め、切れ込みもゆるやかになっていきました。1997年頃には完全にローレグになり、その後はパレオという腰巻も流行。足首まで隠れる大判のものも人気がでました」
景気の後退やレジャーの多様化にともない、レディースファッション水着の売り上げも減少。現在はピーク時の4分の1程度だという。このままハイレグは過去の遺物となってしまうのか。丸田氏は興味深い説を唱える。