〈『な、入れ(710)させてよ、ヘイ、女教(平城京)師!』と懸命(元明)のお願い、そんなことなら(奈良)ん!〉
なんとも卑猥でやや品のないこんな短文を集めた“歴史参考書”がある。5月末に発売された『エロ語呂日本史年号』である。冒頭の短文は、710年に元明天皇が奈良の平城京への遷都を決めた、という内容を覚えるための語呂合わせだという。普通に“なんと(710)キレイな平城京”でいいんじゃないか……という気がするが、企画を立てた発行元・パブリブの濱崎誉史朗・代表社員は「書店では大学受験用参考書の棚に並べてもらっています」と大マジメだ。
年号や人名をエロそうな言葉に置き換えた、約460の例文が収録されている。天草四郎を総大将としたキリシタンによる一揆「島原の乱」は〈色味な(1637)かなか良い、縞・バラのラン(島原の乱)ジェリー〉と語呂を当てる。
なんか無理矢理な気もするが、これで果たして年号を覚えられるのか? 濱崎氏はこう語る。
「中高生は性的なことに興味津々ですから、手に取ってくれると信じています。すべての例文に『うんこ』を入れた『うんこ漢字ドリル』が100万部を突破したそうですが、小学生が『うんこ』なら高校生はエロでしょう」
大量のエロ語呂合わせを考えたのは著者の江口五郎氏だ。同氏は“覆面作家”で普段は会社員。同僚や家族には著書のことは知られていないという。江口氏が出版に至る苦労を明かす。